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2007年08月06日

●広島の話

 今年も同じことを書きます(去年の記事はミクシィ参照)。今日は62回目の広島に原爆が投下された日です。

 原爆投下の事実を、我々は単なるアメリカへの憎しみや報復の意味としてではなく、平和や核問題を考える機会として捉えてきたことは、大変意義のあることだと思います。

 でも、これは戦後の微妙な日米関係を背景に、戦争に関する感情のベクトルを、敢えて他方に仕向けているだけなのではないでしょうか。つまり、アメリカへの憎しみを抱かないのは、戦後のパックス・アメリカーナの下に仕組まれていたのでは?ということです。

 戦後日本は圧倒的な軍事力を持つアメリカと安保条約を結び、「核の傘」に頼ってきた。それでいて、「非核」を訴えるという居心地の悪さもあります。

 とにかく、アメリカが原爆を投下しなくても、日本は降伏していました。あの攻撃は間違いなく不必要なものだったでしょう。でも、決して「しょうがない」とは思えませんが、原爆投下をきっかけとして、急速に終戦に向かっていったのも事実。ただ、被爆者の中にも、未だにアメリカに対して敵意を持っている人が少なくないそうです。被爆した人にとっては、攻撃した者を憎むのは当然の感情だと思います。

 原爆投下の事実は絶対に風化させてはいけません。その下には、二十数万人の被爆者がいるのです。ただ、その事実をどう捉えるかということこそ、原爆の日であるこの日に考える必要があるのではないでしょうか。

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